3日目の朝、弘前のホテルで目が覚めた。
6:00出発なので、昨夜買って置いたコンビニおにぎりを食べ、急いでシュラフをたたみ、
バッグに収納する。
さぁ、出発だ。
今回のツーリング、日程は4日間であるが、4日目は函館から室蘭までの移動なので、
実質、3日目が最終日である。
ハーレーを出発させる。
タイヤがすり減ってしまい、曲がるとカクカクして少し怖い。
ギアチェンジも渋くなってきた。
タイヤ交換とオイル交換の必要がある。
弘前市から青森市へ移動する。
青森市はなかなか大きい街のようだ。
機会があれば訪れてみたいとおもいつつ、素通りする。
弘前へ来るルートは八甲田経由であったため、
今回は違うルート,陸奥湾を眺めながらのルートとした。
弘前から、青森市を通り、浅虫温泉、夏泊半島、横浜、むつ、恐山のルート。
青森市から海へ出ると、浅虫温泉がある。
立派な温泉街で、大きなホテルが建っている。
朝の7時頃、トイレのため、海の駅なる所に停車する。
珍しい、公設の海釣り場がある。
海の駅は閉まっていて、入れないようだった。
海と反対側に道の駅があった。
朝6時から温泉に入れる。
温泉にはいれるのであれば、ここで車中泊してもいいかなと、感じながら用を足す。
浅虫温泉を出ると、津軽半島と、下北半島に挟まれた小さな夏泊半島がある。
遠回りであるが、走る事にした。
青森の道は比較的広く、北海道人である僕でも普通に走れたのだが、
夏泊半島の道は狭く、かなり曲がっている。
混むと大変なのではないかと思う。
夏泊半島は小さな半島なのだが、漁港の数が大変多い。
青森は小さなお社が大変多いのだが、漁港の数だけお社がある。
本州では普通なのかも知れないが、北海道とは違っていて、
文化の違いが感じられて楽しい。
高速を使わない走る楽しみの一つだ。
夏泊半島は昔ながらの漁村半島なのだが、海水浴場だけとても綺麗だ。
青森の方にとって、ここは小樽ドリームビーチみたいな場所なのだろうか、
と古くさい民宿のいけすをを眺めながら考えていた。
ここの民宿に泊まると活魚料理が食べられるのだろうか。
夏泊半島を抜けると、トイレ以外は止まらず走り続けた。
横浜町の道の駅で、菜の花ドーナツを食べた。
菜の花が練り込んであり、苦みと甘みが絡み合って非常に美味しいドーナツだった。
1個70円と、観光料金としては格安だ。
菜の花も見ようとおもったが、花粉症持ちなのでパスした。
事実、横浜町に入ると目がかゆくなってきた。
しかし、北海道の釧路市の隣にある釧路町と並び、モヤモヤする街の名前である。
さて、いよいよ今回のツーリングの目玉、恐山を目指す。
恐山は9世紀に天台宗の慈覚大師円仁により開基され、恐山菩提寺がある。
拝観料は500円。
恐山は宇曽利山湖を中心とした火山性の小さな盆地になっている。
よって、恐山に入山するには、盆地に向かって細い、曲がりくねった道を上り、
降りる必要がある。
苦労して細い道を降り来ると、宇曽利山湖が見てきて、恐山入山となる。降りてきて入山なのですが。
駐車場に止まると、食堂とお土産やさんがある。
とりあえず、中にはいる事に。
温泉が入れるらしいので、風呂道具を持って行く。
門に行くと、白装束の女性が来た。
出るときに一礼をして出て行く。
額には、天狗の付ける八角形のあれが見えた。
信仰のの山なのであろう。
見学ルートが決まっていて、大体1時間から2時間かかる。
お寺の門をくぐり、奥の院に入り、賽の河原、極楽浜へ出でるコースである。
お地蔵さまも雰囲気があり、歴史の重みを感じる場所である。
無くなった方の位牌のような石板も安置されており、
信仰の歴史も古そうである。
ただ、新しめの石版しか無かったので、
許可がいるのか、数が増えると撤去されるのかも知れない。
境内の大半が白い火山灰性の土地で、温泉がわき出たり、
亜硫酸ガスが吹き出ている。
そのため、お線香は禁止で、風車を供えるとのことだが、
お寺の中では売っていなかった。
草履なども供える風習らしいのだが、お寺では売っていない。
見終わり、温泉に入る。
温泉は境内に温泉小屋が3棟あり、男1、女2であった。
温泉は洗い場は無く、服を脱いでお湯につかるだけである。
しかし、ここの温泉が良いお湯で、お湯質で言うと、
僕のランキングでは一位と二位を争う位だ。
恐山をでて、食堂でおそばを頂いた。
食堂はそば、、うどん、カレーが食べられる。
最後にお土産屋さんによると、風車や草履、賽の河原に供える
小さなお地蔵さんが売っていた。
供えたい方は先にお土産屋さんに行くことをお勧めします。
恐山を出ると、今回のツーリングの目玉は終了となる。
これからは大間のキャンプサイトを目指して走る。
大間を出発して青森を走り、また大間に戻る。
感覚として、大間のバイクコミュニティに帰る心境である。
一抹の寂しさと、寝不足と歩き続けて写真を撮影した疲労感が交錯する。
もう少し旅を続けたいような、早く家に帰りたいような不思議な気分となる。
大間の街に、気になる場所があった。
斗南藩資料館である。
拝観料500円を払い、見学させていただいた。
斗南藩をご存じだろうか?
戊辰戦争で敗北した会津藩が転封された、一年九ヶ月しか存続しなかった
幻の藩である。
元会津藩・斗南藩士の木村氏の三代目が残された資料を展示している。
松平容保公の自筆の書があったり、歴史好きには訪れる価値があると思う。
知らない方はいないとは思うが、会津藩主松平容保預かりであったのが
有名な新撰組で、容保公は明治維新の主役の一人である。
大間に戻ってきて、モンベルの小さなテントを設営する。
ストームクッカーでご飯を炊いて、フリーズドライのカレーを作る。
野菜が足りていないので、横浜で購入した菜の花を入れる。
風は、初日より弱かったが、それでも強く吹いている。
二泊目になると、風の強さにも慣れてきて、
帰って心地よい気がしてくる。
北海道に帰ったら、この強い風が懐かしくなるときが来るのだろうか、
と考えながら、テントの中に潜り込んだ。
以上、青森のツーリングレポートでした。
お付き合いしていただいた方、ありがとうございました。
バックナンバー
1日目 準備、フェリー、大間
2日目 尻屋崎、黒石、弘前