都会派ノマド達へ(厳冬キャンプの感想)
※長文です
12月の16日、17日に薪ストーブをもって厳冬キャンプに挑みました。
テンマクデザインのサーカスTCの中で、
ホンマ製作所の薪ストーブを燃やし、
カーミットチェアに座りながら食べたおでんは既製品でしたが、
なかなかおいしかったです。

今回のキャンプ場は、苫小牧市のアルテンです。
電源サイトもある高規格オートキャンプ場で、
サイトはきれいで快適、センターハウスもきれいな建物です。
センターハウスには薪も売っている売店の他、自販機やコインランドリー、
シャワー室まで完備されています。
会議室もありましたので、申し込めば討論とかできます(笑)。
温泉も歩いて行けます。
至れり尽くせりのキャンプ場です。
基本的にワイルドな湖畔サイトが好みですので、夏には来ないような気がしますが、
僕みたいな冬キャンプ初心者に適切なのがアルテンだと思います。
そもそも、北海道に通年営業しているキャンプ場はそう多くありませんが、
初心者向きなのは苫小牧市の土地柄によるものです。
苫小牧は太平洋側で、降雪が極度に少なく、かつ気温が極端に下がらないことです。
札幌やニセコだと-20℃には下がりますし、
降雪も一晩で30センチは降ります。
帯広だと-30℃には下がるでしょうか。
-20℃や-30℃だと、最早南極越冬隊のレベルでしょう(笑)
装備、特に暖房とシュラフは厳選する必要があるかと思います。
今回、-10℃での厳冬キャンプを体験いたしました。
実は-5℃以下にはならないのでは、と考えていましたが、
甘かったです。
冬キャンプを行うのにあたり、装備はほとんど新調いたしました。
想定したのは、土間スタイルキャンプ。
ワンポール、ツーポールのシングルウォールのテントに暖房を持ち込み、
チェアに座り、寝具はコットを想定しました。
思い立ってから機材の選定までが2週間です。
機材の選定は大変でした。
仕事中もこっそりとエクセルで検討をしていたのは内緒の話です。
11月に1回、12月に1回行くことが出来ました。
冬のキャンプに慣れていないので、率直な感想は「寒い」の一言に尽きます。
11月は、レインボーストーブが暖房でしたが、思ったより暖かくなかったです。
12月は対策として、以前から欲しかった薪ストーブを購入しました。
薪ストーブの選定が非常に難しく、苦労しました。
インターネットが発達した現在、ググるとほしい情報を得ることができるのですが、
薪ストーブの情報はかなり少ないです。

薪ストーブキャンパーの数が少ないためもあるかと思います。
情報があっても、感覚的な感想が大半を占め、自分のキャンプに落とし込んだ場合に
どうなるのかということがわかりにくかったです。
インスタグラムがはやり、情報は写真だけになりつつあるのも情報が足りない原因かもしれません。
結局、購入した薪ストーブはホンマ製作所の安いものにしました。
しかし、薪ストーブは煙突や幕内にインストールするための機材が多く、
結構お金がかかりました。
誰かに「お勧めの薪ストーブは?」と聞かれたら、
お金があればアネベイの新型フロンティアストーブ、
もしくは僕と同じホンマ製作所のストーブセットと答えます。
薪ストーブは嵩張ります。
持ち込む薪も30キロです。
バタフライランタンやストームランタン、70年前のコールマンストーブなど、
嵩張るものはあきらめました。
外気温-7℃では、薪ストーブだけだと幕内温度が7℃までしか上がらず、
すぐに石油ストーブのレインボーランタンを使用し、ようやっと幕内が15℃になりました。
15℃というのは微妙な温度です。
-10℃の外から、15℃に入ると「おっ暖かいな」と思うのですが、
すぐに15℃に慣れてしまいます。
北海道人は自宅の室内温度を25℃に保ち、
アイスを食べる生活を行うので、15℃は正直、寒いです。
幕内で火器を使用するので、換気のために隙間をわざと作ります。
隙間風が冷たいです。
15℃では、隙間風は冷たく、寒かったです。
就寝時、よくないのですがレインボーストーブは点火のまま、
薪ストーブも太い薪を詰め込み、ダンパーを閉めて燃焼を遅くし、
眠りにつきました。
夜中の1時ころ、トイレと寒さで目が覚めました。
薪ストーブは少量の熾火だけになり、-1℃でした。
寒さ対策として、コットを使って地冷えを防止し、
-30℃まで使用できるシュラフを用意しました。
アンダーアーマーのタイツを着込み、
ズボンはコロンビアの裏が銀色のやつをはいて寝ました。
上半身が寒かったです。
今度はしまむらで買ったダウンを着ようと思いましたよ。
寒さ対策が足りないのかもしれません。
後で思うと、かなりマゾ的な遊びに見えます(笑)
夏はキャンパーで賑わうアルテンも、-10℃では数張のテントのみ。
早起きして、誰もいない雪原を眺めていました。

楽しかったか、というとちょっと違います。
日頃得られない、心の平穏を手に入れた感覚です。
薪ストーブあたり、「あったかいな」と思ったり、
外に出て「極寒だ」と感じたり、
コーヒーやおでんを「うまい」と感じたり、
朝日に染まる雪原を「きれいだな」と感じたり。
手にいれたのは普段はいろいろなしがらみで感じることのできない
純粋な感覚たちでした。
コーヒーを「うまい」と感じているときは、
「うまい」以外に何も考えていないのです。
キャンプで飲むコーヒーは僕の自家焙煎ですが、
家で飲むコーヒーと同じものです。
味は家の方が丁寧に入れることのできるのでおいしいはずなのですが、
キャンプで感じる純粋なおいしさは、家コーヒーに勝りました。
家では、「仕事をどうしよう」とか、
個人的な事情や、周りから受ける期待みたいなものに影響され、
ついいろいろと考えがちになってしまします。
自宅でコーヒーを飲みながらくつろいでいるのですが、
仕事、学校、家族などいろいろなしがらみで生活している以上、
「何も考えないでくつろいでいる」と思っていても、
実はくつろげていない自分がいます。
大部分の日本人は、自宅で平穏を得ることができるのだと思います。
しかし、僕みたいに現代社会になじめなく、
強いストレスを受けてしまう僕にとって、
真の平穏は放浪でしか得ることができないのだと思います。
昔から一人旅が好きで、よく旅をしました。
旅といっても出張帰りに立ち寄ったり、車で撮影行に出かける程度でしたが、
昔から放浪に近い旅に出かけるのが好きでした。
一人旅の宿、徒歩宿には結構宿泊しました。
キャンプはハーレーでのツーリングからです。
思えば、ハーレーも放浪のための道具です。
アルテンのキャンプ、自宅から1時間で行ける距離なのですが、
僕にとってプチ放浪というべきものでした。

僕みたいな、現代人のノマド、放浪者がごく少数存在するはずです。
どこか、日常生活で違うなとか思っていませんか?
普通に暮らしているだけなのに、強いストレスを感じてはいませんか?
人の群れに入って息苦しくありませんか?
そのような人に、こっそりと、厳冬キャンプは楽しいですよと言ってあげたいです。
お金がかかりますけどね。
長文、散文失礼しました。
12月の16日、17日に薪ストーブをもって厳冬キャンプに挑みました。
テンマクデザインのサーカスTCの中で、
ホンマ製作所の薪ストーブを燃やし、
カーミットチェアに座りながら食べたおでんは既製品でしたが、
なかなかおいしかったです。
今回のキャンプ場は、苫小牧市のアルテンです。
電源サイトもある高規格オートキャンプ場で、
サイトはきれいで快適、センターハウスもきれいな建物です。
センターハウスには薪も売っている売店の他、自販機やコインランドリー、
シャワー室まで完備されています。
会議室もありましたので、申し込めば討論とかできます(笑)。
温泉も歩いて行けます。
至れり尽くせりのキャンプ場です。
基本的にワイルドな湖畔サイトが好みですので、夏には来ないような気がしますが、
僕みたいな冬キャンプ初心者に適切なのがアルテンだと思います。
そもそも、北海道に通年営業しているキャンプ場はそう多くありませんが、
初心者向きなのは苫小牧市の土地柄によるものです。
苫小牧は太平洋側で、降雪が極度に少なく、かつ気温が極端に下がらないことです。
札幌やニセコだと-20℃には下がりますし、
降雪も一晩で30センチは降ります。
帯広だと-30℃には下がるでしょうか。
-20℃や-30℃だと、最早南極越冬隊のレベルでしょう(笑)
装備、特に暖房とシュラフは厳選する必要があるかと思います。
今回、-10℃での厳冬キャンプを体験いたしました。
実は-5℃以下にはならないのでは、と考えていましたが、
甘かったです。
冬キャンプを行うのにあたり、装備はほとんど新調いたしました。
想定したのは、土間スタイルキャンプ。
ワンポール、ツーポールのシングルウォールのテントに暖房を持ち込み、
チェアに座り、寝具はコットを想定しました。
思い立ってから機材の選定までが2週間です。
機材の選定は大変でした。
仕事中もこっそりとエクセルで検討をしていたのは内緒の話です。
11月に1回、12月に1回行くことが出来ました。
冬のキャンプに慣れていないので、率直な感想は「寒い」の一言に尽きます。
11月は、レインボーストーブが暖房でしたが、思ったより暖かくなかったです。
12月は対策として、以前から欲しかった薪ストーブを購入しました。
薪ストーブの選定が非常に難しく、苦労しました。
インターネットが発達した現在、ググるとほしい情報を得ることができるのですが、
薪ストーブの情報はかなり少ないです。
薪ストーブキャンパーの数が少ないためもあるかと思います。
情報があっても、感覚的な感想が大半を占め、自分のキャンプに落とし込んだ場合に
どうなるのかということがわかりにくかったです。
インスタグラムがはやり、情報は写真だけになりつつあるのも情報が足りない原因かもしれません。
結局、購入した薪ストーブはホンマ製作所の安いものにしました。
しかし、薪ストーブは煙突や幕内にインストールするための機材が多く、
結構お金がかかりました。
誰かに「お勧めの薪ストーブは?」と聞かれたら、
お金があればアネベイの新型フロンティアストーブ、
もしくは僕と同じホンマ製作所のストーブセットと答えます。
薪ストーブは嵩張ります。
持ち込む薪も30キロです。
バタフライランタンやストームランタン、70年前のコールマンストーブなど、
嵩張るものはあきらめました。
外気温-7℃では、薪ストーブだけだと幕内温度が7℃までしか上がらず、
すぐに石油ストーブのレインボーランタンを使用し、ようやっと幕内が15℃になりました。
15℃というのは微妙な温度です。
-10℃の外から、15℃に入ると「おっ暖かいな」と思うのですが、
すぐに15℃に慣れてしまいます。
北海道人は自宅の室内温度を25℃に保ち、
アイスを食べる生活を行うので、15℃は正直、寒いです。
幕内で火器を使用するので、換気のために隙間をわざと作ります。
隙間風が冷たいです。
15℃では、隙間風は冷たく、寒かったです。
就寝時、よくないのですがレインボーストーブは点火のまま、
薪ストーブも太い薪を詰め込み、ダンパーを閉めて燃焼を遅くし、
眠りにつきました。
夜中の1時ころ、トイレと寒さで目が覚めました。
薪ストーブは少量の熾火だけになり、-1℃でした。
寒さ対策として、コットを使って地冷えを防止し、
-30℃まで使用できるシュラフを用意しました。
アンダーアーマーのタイツを着込み、
ズボンはコロンビアの裏が銀色のやつをはいて寝ました。
上半身が寒かったです。
今度はしまむらで買ったダウンを着ようと思いましたよ。
寒さ対策が足りないのかもしれません。
後で思うと、かなりマゾ的な遊びに見えます(笑)
夏はキャンパーで賑わうアルテンも、-10℃では数張のテントのみ。
早起きして、誰もいない雪原を眺めていました。
楽しかったか、というとちょっと違います。
日頃得られない、心の平穏を手に入れた感覚です。
薪ストーブあたり、「あったかいな」と思ったり、
外に出て「極寒だ」と感じたり、
コーヒーやおでんを「うまい」と感じたり、
朝日に染まる雪原を「きれいだな」と感じたり。
手にいれたのは普段はいろいろなしがらみで感じることのできない
純粋な感覚たちでした。
コーヒーを「うまい」と感じているときは、
「うまい」以外に何も考えていないのです。
キャンプで飲むコーヒーは僕の自家焙煎ですが、
家で飲むコーヒーと同じものです。
味は家の方が丁寧に入れることのできるのでおいしいはずなのですが、
キャンプで感じる純粋なおいしさは、家コーヒーに勝りました。
家では、「仕事をどうしよう」とか、
個人的な事情や、周りから受ける期待みたいなものに影響され、
ついいろいろと考えがちになってしまします。
自宅でコーヒーを飲みながらくつろいでいるのですが、
仕事、学校、家族などいろいろなしがらみで生活している以上、
「何も考えないでくつろいでいる」と思っていても、
実はくつろげていない自分がいます。
大部分の日本人は、自宅で平穏を得ることができるのだと思います。
しかし、僕みたいに現代社会になじめなく、
強いストレスを受けてしまう僕にとって、
真の平穏は放浪でしか得ることができないのだと思います。
昔から一人旅が好きで、よく旅をしました。
旅といっても出張帰りに立ち寄ったり、車で撮影行に出かける程度でしたが、
昔から放浪に近い旅に出かけるのが好きでした。
一人旅の宿、徒歩宿には結構宿泊しました。
キャンプはハーレーでのツーリングからです。
思えば、ハーレーも放浪のための道具です。
アルテンのキャンプ、自宅から1時間で行ける距離なのですが、
僕にとってプチ放浪というべきものでした。
僕みたいな、現代人のノマド、放浪者がごく少数存在するはずです。
どこか、日常生活で違うなとか思っていませんか?
普通に暮らしているだけなのに、強いストレスを感じてはいませんか?
人の群れに入って息苦しくありませんか?
そのような人に、こっそりと、厳冬キャンプは楽しいですよと言ってあげたいです。
お金がかかりますけどね。
長文、散文失礼しました。
この記事へのコメント
はじめまして。
いつも拝見していたのですが、初めてコメントさせて
いただきます。
今回のブログの記事に女性ながら心にグッと来るものが
ありました。
本当の非日常を味わうには、厳冬キャンプしたいですよね。
でも、我が家の装備では無理なので諦めています。
勝手ながらお気に入りさんに登録させて下さいね。
よろしくお願いいたします。
いつも拝見していたのですが、初めてコメントさせて
いただきます。
今回のブログの記事に女性ながら心にグッと来るものが
ありました。
本当の非日常を味わうには、厳冬キャンプしたいですよね。
でも、我が家の装備では無理なので諦めています。
勝手ながらお気に入りさんに登録させて下さいね。
よろしくお願いいたします。
soloさんこんばんは!
アルテンキャンプお疲れさまでした。
素敵なコラムですね。
私もこの度冬キャンプを始めましたが、確かに夏とは違う感覚を感じてます。
キャンプ自体が締まるという感覚を覚えました。
寒いし何事にも効率よく行動しないととにかく寒いw
そういう状況だからこそ、周りのキャンパーさんもしっかりしたベテランキャンパーさんが多い気がしました。
とっても勉強になってます。
私は日常の生活や、仕事に不満やストレスはそれほど感じてはおりませんが、とにかくキャンプに行ってリフレッシュしたいという気持ちはとっても持ってます。
確かに夏に比べて冬キャンプは色々大変ですが、それでも苦にならない楽しさを感じてる事にちょっとだけ他の人より優越感を感じております(変人扱いされてますがw)
soloさんのコラムは、道具も考え方も参考になります。
ありがとうございます。
アルテンキャンプお疲れさまでした。
素敵なコラムですね。
私もこの度冬キャンプを始めましたが、確かに夏とは違う感覚を感じてます。
キャンプ自体が締まるという感覚を覚えました。
寒いし何事にも効率よく行動しないととにかく寒いw
そういう状況だからこそ、周りのキャンパーさんもしっかりしたベテランキャンパーさんが多い気がしました。
とっても勉強になってます。
私は日常の生活や、仕事に不満やストレスはそれほど感じてはおりませんが、とにかくキャンプに行ってリフレッシュしたいという気持ちはとっても持ってます。
確かに夏に比べて冬キャンプは色々大変ですが、それでも苦にならない楽しさを感じてる事にちょっとだけ他の人より優越感を感じております(変人扱いされてますがw)
soloさんのコラムは、道具も考え方も参考になります。
ありがとうございます。
Nanaさん、コメントありがとうございます。
今回のようなコラムをバンバン書きたいのですが、
書くのは「買いました!」的な記事ばかりです(笑)
雑文ブログですが、これからもよろしくお願いいたします。
今回のようなコラムをバンバン書きたいのですが、
書くのは「買いました!」的な記事ばかりです(笑)
雑文ブログですが、これからもよろしくお願いいたします。
ハントさん、おはようございます。
確かに、冬キャンプはベテランさんが多く、
独特の雰囲気が流れますよね。
ソロの方が4〜5人おられましたが、
みな静かにソロを楽しんでおられたようです。
成人式にまたアルテンに以行こうかと画策しております。
確かに、冬キャンプはベテランさんが多く、
独特の雰囲気が流れますよね。
ソロの方が4〜5人おられましたが、
みな静かにソロを楽しんでおられたようです。
成人式にまたアルテンに以行こうかと画策しております。